本マニュアルは、レシートをアップロードしてGoogleスプレッドシートへ自動記帳を行う「自動記帳システム」の利用手順と、スプレッドシート内で販売データや在庫・利益を一括集計する「スプレッドシートマクロ」の取扱説明書を統合したものです。
1. 初回ログイン後の初期設定手順
アカウントを作成してログインした後、記帳を開始する前に以下の初期設定を行ってください。画面右上の「設定」ボタンから設定画面を開いて作業を行います。
ステップ1-1. テンプレートスプレッドシートのコピー
本システムで記帳を行うには、専用のフォーマットを持つスプレッドシートが必要です。
- 設定画面の下部にある「テンプレートを表示する(Googleスプレッドシート)」のリンクを開きます。
- スプレッドシートが開いたら、メニューの「ファイル」を選択します。
- 「コピーを作成」を選択します。
- ご自身のGoogleドライブ内に名前(例:「物販帳簿_2026」など)を入力して「コピーを作成」ボタンをクリックして保存します。
ステップ1-2. システムへの共有設定(編集者権限の付与)
システムがお客様のスプレッドシートへ書き込みを行えるようにするため、共有権限を付与します。
- 設定画面の「重要・事前設定手順」エリアに表示されているシステム専用アドレス「 id-317@bookkeeping-tool-496221.iam.gserviceaccount.com 」をコピーします。
- 先ほどコピー作成したスプレッドシートをブラウザで開き、画面右上にある「共有」ボタンをクリックします。
- 「ユーザー、グループ、スペースを追加」の入力欄が表示されたら、そこにコピーしたシステム専用アドレスを入力します。
- 権限を「編集者」に設定し、「送信」ボタンを押して保存します。(※通知はチェックされた状態でも問題ありません)
ステップ1-3. スプレッドシートURLの貼り付けと保存
- スプレッドシートのブラウザのアドレスバーに表示されているURL(https://docs.google.com/spreadsheets/d/.../edit 形式)をすべてコピーします。
- 設定画面の「Google スプレッドシートのURL」入力欄に貼り付けます。
- 「保存する」ボタンをクリックします。画面に保存完了の通知が表示されれば設定は完了です。
2. 自動記帳システム(レシートアップロード)の操作方法
初期設定が完了したら、ダッシュボード画面から自動記帳を行うことができます。
ステップ2-1. ファイルのアップロード
ダッシュボード画面には、左右にそれぞれ「仕入れレシート」用と「経費レシート」用のドラッグ&ドロップエリアが用意されています。
- アップロードしたいファイルの種類(仕入れか経費か)に合わせ、対応するエリアにファイルをドロップするか、エリア内をクリックしてファイルを選択します。
- 最大5枚まで同時にアップロード可能です。
- 対応しているファイル形式は、JPG、PNG、PDFです。
ステップ2-2. 記帳の実行と結果確認
- 画面上のタスクリストに進捗状況(解析・同期中...)が表示され、自動でスプレッドシートへ書き込まれます(ファイル1枚につき約5秒から15秒ほどかかります)。
- 処理が正常に完了すると画面右下に「完了」の通知が表示されます。スプレッドシートを開き、該当するシート(仕入れまたは経費)の新しい行にデータが追加されていることを確認してください。
- 解析に失敗した場合は、エラーメッセージが表示されます。写真がブレていたり暗すぎたりして文字が読めない場合は、撮影し直して再度アップロードを行ってください。
- 自動でスプレッドシートに書き込まれる項目は以下の通りです。
- 仕入れレシート:日付、購入店舗、レシート番号、JANコード、商品名、単価、数量(※商品ごとに自動で複数行に分かれて書き込まれます)
- 経費レシート:日付、勘定科目(AIが自動判定)、レシート番号、合計金額(※1回分が1行として書き込まれます)
3. スプレッドシートマクロの操作手順
本スプレッドシートには、Amazonやメルカリの販売データ、仕入れデータをボタン一つで一括加工・集計し、在庫と月別キャッシュフロー(黒字倒産リスク)を可視化するマクロ(プログラム)が組み込まれています。
3-1. 事前準備:実行メニュー(タブ)の確認
スプレッドシートを開くと、上部メニューバーの「ヘルプ」の右側に [マクロ実行] という専用タブが表示されます。すべてのマクロはこのタブからワンクリックで実行できます。
- 注意:スプレッドシートを開いた直後は、メニューが表示されるまで数秒かかる場合があります。
- 注意:初めて実行する際は、Googleからの「承認が必要です」という画面が出ます。画面の指示に従ってアカウントを選択し、[詳細] > [(プロジェクト名)に移動] > [許可] を行ってください。
3-2. Amazon販売データの転記手順
Amazonの「カスタム期間のトランザクションレポート」を反映します。
【手順】
- Amazonセラーセントラルの「レポート」>「支払い(ペイメント)」メニューから「レポートリポジトリ」を開き、レポートの種類で「トランザクション」を選択し、期間を指定して「レポートをリクエスト」を押してCSVファイルをダウンロードします。
- ダウンロードしたトランザクションレポート(CSVファイル)を開きます。
- キーボードの Ctrl + A (Macは Cmd + A)ですべて選択し、コピーします。
- 本スプレッドシートの「データ貼付け(Amazon)」シートを開きます。
- A1セルを選択し、Ctrl + V でそのまま貼り付けます。
- 上部メニューの [マクロ実行] > [Amazonデータを転記する] をクリックします。
【実行後の動き】
- 「販売(Amazon)」シートの末尾に、指定の計算ルール(商品売上・手数料・その他発生費・入金額など)に則ってデータが自動追記されます(No.は自動で連番になります)。
- 転記が正常に完了すると、次回また全選択コピペができるように「データ貼付け(Amazon)」シートは自動的に真っ白にクリアされます。
3-3. メルカリ販売データの転記手順
メルカリの取引履歴CSVデータを反映します。
【前提条件】
- 本手順で出力するCSVデータを作成するために、Google Chromeの拡張機能である「フリマアシスト」を利用します。あらかじめブラウザにインストールしておいてください。
【手順】
- メルカリ(Web版)のマイページから「出品した商品」>「販売履歴」タブを開き、対象の「表示期間(年)」を選択して、フリマアシストが提供する「販売履歴CSV出力」ボタンをクリックしてCSVファイルをダウンロードします。
- ダウンロードした取引履歴データ(CSVファイル)を開きます。
- キーボードの Ctrl + A で丸ごとすべて選択してコピーします。
- 本スプレッドシートの「データ貼付け(メルカリ)」シートを開きます。
- A1セルを選択し、Ctrl + V でそのまま貼り付けます。
- 上部メニューの [マクロ実行] > [メルカリデータを転記する] をクリックします。
【実行後の動き】
- 「販売(メルカリ)」シートの末尾に、日付(日にちのみに自動整形)、商品ID、販売利益(入金額)などが正しくマッピングされて追記されます。
- 転記が正常に完了すると、「データ貼付け(メルカリ)」シートは自動的に真っ白にクリアされます。
3-4. 在庫管理シートの更新手順
「仕入れ」シート、「販売(Amazon)」シート、「販売(メルカリ)」シートのすべてから、リアルタイムの在庫残高を計算します。
【前提条件】
- 「仕入れ」シートの4行目以降に、仕入れた商品のデータ(B列:SKU、C列:商品名、D列:数量、E列:単価)が正しく入力されている必要があります。
- 仕入れ、販売どちらのシートでもSKUが空欄の行は集計から除外されます。
- メルカリ販売シートにもSKUの入力が必要です。メルカリにはAmazonのようにSKU設定がないので、任意の英数字を入力してください。
【手順】
- 上部メニューの [マクロ実行] > [在庫管理を更新する] をクリックします。
【実行後の動き】
- SKUをキー(照合軸)として、これまでの合計仕入れ数・合計販売数が再集計されます。
- 仕入れシートにまだ登録されていない新しいSKUが販売シート側で見つかった場合、自動的に在庫管理シートに行が作成されます。
- 最終的に「仕入れ数量 - 販売数量」が計算され、最新の「在庫数」に上書き更新されます。
3-5. 月別利益・キャッシュフローの計算手順
利益だけでなく、手元から現金がショートする「黒字倒産リスク」を毎月監視するための最重要マクロです。
【最重要】事前に入力すること
実行する前に必ず、「月別利益計算」シートのD2セルに「昨年末時点での在庫の総金額」を手入力しておいてください。この値を元に1月の繰り越し在庫がスタートします。
【手順】
- 上部メニューの [マクロ実行] > [月別利益を計算する] をクリックします。
【実行後の動き】
1月から12月までの各列に、以下の内容が完全自動で計算・上書きされます。
- C列 [繰り越し在庫金額]:1月はD2セルからコピー。2月以降は前月の月末在庫が自動スライド。
- D列 [仕入れ金額]:その月に仕入れた総額。
- E列 [入金額]:Amazonとメルカリの当月入金合計。
- F列 [経費]:Amazonとメルカリの手数料・送料の当月合計。
- G列 [利益]:帳簿上の利益(入金 - 経費 - 仕入れ)。
- H列 [手元に残った現金](要チェック指標):計算式は「入金額 - 経費 - 仕入れ」です。ここがマイナス(赤字)になっている月は、いくら利益(G列)が黒字であっても、「今月は財布から現金が減って在庫(商品)の山に化けている」という黒字倒産リスク状態を示します。
- I列 [月末在庫金額]:キャッシュの動きと連動した、その月末時点の正確な抱えている在庫総額。
4. スプレッドシートの各シート・マクロ運用時の説明と注意点
シートの構成
- 仕入れシート:仕入れレシートをアップロードした際に、商品ごとの詳細明細行(日付、店舗、商品名、単価、数量など)が自動的に書き込まれます。
- 経費シート:経費レシートをアップロードした際に、決済ごとに1行(日付、AIが自動判定した勘定科目、合計金額など)で自動的に書き込まれます。
- 販売(Amazon) / 販売(メルカリ)シート:マクロの実行により、各プラットフォームでの売上や手数料データが追記されます。
- 在庫管理シート:仕入れと販売のデータから、SKUごとの最新の在庫数が自動計算されます。
- 月別利益計算シート:キャッシュフロー(手元現金)や月末在庫金額を含めた月ごとの利益が自動集計されます。
運用上の注意点(共有ユーザーへのお願い)
- 1. シート名は絶対に変更しないでください:マクロは「データ貼付け(Amazon)」「販売(Amazon)」「データ貼付け(メルカリ)」「販売(メルカリ)」「在庫管理」「仕入れ」「月別利益計算」という正確なシート名を探して処理を行います。1文字でも変わるとエラーになります。
- 2. データの貼り付け位置に注意してください:AmazonやメルカリのCSVデータをコピペする際は、必ず「A1セル」を選択した状態で貼り付けてください。
- 3. 数式やレイアウトの変更は避けてください:列の順番(A列、B列など)を変更したり、行を挿入したりすると、マクロが数値を読み込む位置がズレてしまい、計算結果がおかしくなる原因になります。